建設業界、ODAに注力 日本の経済支援強化 大きな商機
2014.2.20 06:23
日本の建設業界が、円借款や無償資金協力などの政府開発援助(ODA)事業の受注に注力している。安倍晋三首相が東 南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を重視し、ODAなどによる経済支援を打ち出しており、日本企業にとっても大きな商機となるからだ。海外進出の歴 史やノウハウがある大手ゼネコンは意欲的だが、地方や中小の建設会社は尻込みしているのが現実だ。国土交通省は相談窓口などを設置し中小などへの支援を強 化している。
19日、清水建設や西松建設がマレーシアで、地元企業とJV(共同企業体)を組んでパハン州とセランゴール州の州境で建設を進めていた導水トンネルの貫通式典が開かれた。2009年6月に着工し総延長は44.6キロというアジア最大級のインフラ整備プロジェクトだ。受注額は約384億円(09年当時の為替レート)で、この うち75%は円借款で賄われた。清水建設の高野博専務執行役員は「今後は地下鉄などの交通、電力施設だけでなく、水ビジネスや省エネなどの環境インフラが 増えてくる」とみる。
東南アジアにおけるインフラ需要は旺盛だ。アジア開発銀行(ADB)によると、アジアにおける10~20年のインフラ需要は約8.3兆ドル(850兆円)に達すると試算する。
日本政府は昨年12月、ベトナム、カンボジア、ラオス、フィリピンの4カ国で計13件の円借款や無償資金協力による支援を決めたほか、ミャンマーでは安倍 首相が訪問した昨年5月に総額910億円の資金協力を表明した。このほかのASEAN各国での経済支援も本格化する見通しで、「アジアの新興国の成長を取 り込むことが一層重要な課題となっている」(ゼネコン関係者)。
海外建設協会によると、海外建設工事の受注額は、リーマン・ショック後の 09年度(6969億円)を底に増加傾向にある。13年度も12月までで1兆484億円となり、3年連続で1兆円を超える。清水建設は、海外売上高比率 (13年4~12月期は8.8%)を20年までに20%に引き上げる目標を掲げる。
しかし、大手ゼネコンの過熱ぶりに比べ、地方や中小の建設業者は出遅れている。
国交省は、昨年9月か ら2月上旬にかけて、中小業者などを対象にした「海外展開経営塾」を5回開催し、計67人の経営者らが参加した。また海外事業に詳しい建設会社OBや弁護 士、中小企業診断士などの専門家が現地法人設立や工事代金の回収方法、契約制度などについて相談に応じる「海外展開支援アドバイザリー事業」を3月20日 まで実施している。
国交省の担当者は「海外事業における情報やノウハウ不足で海外展開を躊躇(ちゅうちょ)する場合も少なくない」としており、来年度もさまざまな支援策を立ち上げる方針だ。(クアラルンプール 鈴木正行)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140220/bsc1402200504014-n3.htm









